チ第4巻

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地動説の証明と、どう理解されるかを今後やっていくのかと予想していましたが、外れました。

 

チ。―地球の運動について―(4) (ビッグコミックス)

あらすじ:過去の観測データ1000年分を得たことで、地動説はもう目の前であった。しかし異端審問官の影が地動説の前に再び立ちふさがる。

 

好きなポイント

★知識の精度

読んでいる私は、当然現代に生きていて、つい現代の価値観や知識を漫画の中のキャラクターも持っていると思いがちになります。しかし、どうして虹が現れるかと質問された際に、「神が雨に耐えた人類を祝福する」と答えていて、説明できない現象には神がでてくる時代なんだなぁと思いましたと読み進めるたびに思い。時代が現代ではなく、中世なんだなとたびたび思い出されてくれます。

 

★異端審問官

元傭兵の異端審問官のノヴァク。偉い人が好むものと報告書のツボを話しています。

現代の社会人での出世の仕方と似通っているものがあるなぁと思いました。

神や本当に正しいことではなく、上から支持されたことを達成する最も効率いい方法を常に探す異端審問官ノヴァク。ただしさではなく、それっぽく動いている。美しさや真理を求める研究者とは対極の存在として改めて存在感が光っているなぁと思いました。

 

★託すということ

可能な限り、自分でやったほうが想像通りいく、どんなことでもきっとそうだと思います。しかし任せたほうが自分の想像をはるかに上回ることもある。託すというのはそういった部分も含めているのかなと思いました。いまだに完璧ではない地動説。天動説でさえも、ビャストが情報を独占していたせいで論破されず別の視点が入ることがなく真理にたどりつくに至らなかった。地動説も託すことで、別の視点が入り、反論され、より強固なものとして確立されていくのではないかと主張する。当時学問は、一部教養のある人間に独占されていたのかなと思う一方で、地動説は地動説そのものだけではなく、学問のあり方そのものを変えた存在なのかなと思いました。

 

現代にもあるあるな内容が描かれていました。異端審問官に立ち向かうオクジーはどうなるのか。気になりながら筆をおかせていただきます。